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死んでも恋人を守る男の王道ラブストーリー『ゴースト ニューヨークの幻』

死んでも恋人を守る男の王道ラブストーリー『ゴースト ニューヨークの幻』

王道ラブストーリー

『ゴースト ニューヨークの幻』。不慮の事件で死んだ男がゴーストになっても愛する恋人を守るなんていう王道ラブストーリーのこの映画は、その後の映画やドラマに多大な影響を与えました。

ゴーストになっても恋人を守る男、パトリック・スウェイジ扮するサムと、デミ・ムーア扮する恋人のモリーが一緒に座ってろくろを回すシーンは、いくつかの海外ドラマで真似されていますし、サムがモリーに自分の存在を証明する為にコインを指で浮かせるシーンも、日本のバラエティで使われていたのを見たことがあります。

そして何より、映画の主題歌であるライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」! あの切なく美しい曲のイントロが流れれば、「あ、これからラブシーンなんですね」と反射的に思ってしまうほど、映画の名シーンとともに脳裏に刻まれています。

興行的にも成功しただけでなく、アカデミー作品賞・編集賞・作曲賞などにノミネートされました。が。同じ年に公開された『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に阻まれ、霊媒師オダ・メイ役のウーピー・ゴールドバークが助演女優賞を、作品はアカデミー脚本賞を受賞するにとどまりました。

ミステリーにホラーテイスト、コメディ要素も

筆者は自他共に認める映画好きではありますが、ラブストーリーはあまり見ません。でもこの映画は恋愛要素だけでなく、ミステリーにホラーテイスト、コメディ要素もあり好きな作品です。

特にいんちき霊媒師オダ・メイとサムのやり取りは、何度見ても面白い。さすがは『天使にサブソングを』のウーピー・コールドバーク。善人では全くないのに、いやいやながら協力するうち、良い事をしちゃうと言うこの役がハマっています。

そして、いまでは珍しいショートカットのデミ・ムーアのキュートなこと!死んだはずの恋人がまだ存在して、自分を守ってくれていた事を知った時の泣き顔、その透明な涙はあまりにも美しく、もらい泣きすること必至です。

そうそう、ネタバレになってしまいますが、サムを殺した暴漢のウィリーと、彼にサムを殺すよう依頼した同僚のカールにちゃんと罰が当たるのも、すっきりできてお勧めできるポイントです。そのあたりはホラーテイスト満載ですから、ラブストーリーが苦手な方も楽しめるのではないでしょうか。

追悼パトリック・スウェイジ

残念ながら、サムを演じたパトリック・スウェイジは、膵臓癌のため2009年に57歳で生涯を閉じています。

母親の影響でバレエの劇団員として、さらにブロードウェイの舞台で活躍してから、得意のダンスを活かした『ダーティ・ダンシング』で脚光を浴び、この『ゴースト ニューヨークの幻』で人気を不動のものとした彼。

ファンの一人として活躍をもっともっと見られると信じて疑わなかったのに、突然の訃報。久々に物語以外で泣きました。

そんな彼を追悼する意味を込めて、お勧めの作品をひとつご紹介します。ロードムービー・コメディの、『3人のエンジェル』。

この映画で彼はなんと、ドラッグ・クィーンに扮しています。いやぁ化粧ってすごい。ダンスで鍛えられた長身の彼が、ごっつくはありますが美女に見えます。同じくドラック・クィーンとなって共演するのは、『ブレイド』のウェズリー・スナイプスと『ムーラン・ルージュ』のジョン・レグイザモ。二人の美女ぶりもすごいですから、ぜひご覧ください

作品情報

原題:『Ghost』
出演者:
監督:

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Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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