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映画に「騙されたい」方にお勧めの不可解ミステリー『シャッターアイランド』

映画に「騙されたい」方にお勧めの不可解ミステリー『シャッターアイランド』

「騙されたい」あなたに

筆者は自他共に認める映画好きですが、この映画だけは何度見ても良く分かりません。映画を選び、好きになる基準が面白いか否かであることも影響しているのだと思いますが、この作品にはどう~も違和感というか、一種の不快感すら抱いてしまいます。

そしてこの『シャッターアイランド』だけではなく、マーティン・スコセッシ監督の作品のどれを観ても、「良く練られているなぁ」や、「いや~複雑なストーリーだなぁ」と感心することはあっても、「あ~面白かった!」と晴れ晴れと笑えることはないものですから。最近ではこの監督とは感性が違うのだろうとすら思いまして、観るのを避ける傾向にあります。

しかし逆に言えば、単純明快な筋立ての映画に飽きた人、映画に「騙されたい」と願う人にはぴったりの作品であるとも言えます。

誰が「本物」なのか

この作品は、最後の十数分まで誰が本当のことを言っているのか、誰が「本物」なのかが分かりません。

一応主人公は、レオナルド・ディカプリオ扮する連邦保安官テディ・ダニエルズ。彼が相棒のマーク・ラファロ扮するチャックとともにボストンの沖合にある孤島、シャッターアイランドを訪れるところから映画は始まります。その島にある、精神異常犯罪者たちが収容されている病院で、女性患者が一人行方不明になった為、捜査に訪れたのです。

病院の院長や医師、比較的軽度の患者に話を聞いてまわるのですが、誰もかれもが意味ありげだけれど曖昧な事を話し、一向に捜査は進みません。いらつきながら捜査を進めるテディ自身も闇を抱えているようで、過去のフラッシュバックのような、妄想のような映像が合間に映し出され、一層謎が深まります。

そしてついには、テディの抱える闇、妻のレディスを殺した犯人が病院内にいると知った彼は―――。

楽しみ方は、あなた次第

そこから先は、ご自身で確かめてください。なにしろ公開当時は「衝撃のラスト」「まったく予想のつかない展開」なんてふれこみで宣伝され、ストーリーと謎ときについていけなかった人のために、「二度見キャンペーン」なんてキャンペーンも開催された映画です。

ここでネタバレするわけにはいきません。番組宣伝のトレイラーにあるように、「映画開始何分でこの謎が解けるか」に挑戦するもよし、ミスリードを誘う物語の流れに身を任せ、あえて翻弄されるもよし。このある意味不可解な映画の楽しみ方は、あなた次第です。

ちなみに。ミステリーは好きだけれど謎ときには、特にその過程にあまり興味のない筆者は、映画半分で早々に考える事を放棄しまして。DVDで観ていたのを幸い、結末を先に確認してから、改めて見直しました。

作品情報

原題:『Shutter Island』
出演者:
監督:
原作:『シャッターアイランド』デニス・ルヘイン著

ABOUT THE AUTHOR

Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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