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フィルムを喰らう!~感情中毒の巣窟~

ラジー賞総なめでも感動してしまう『アルマゲドン』

ラジー賞総なめでも感動してしまう『アルマゲドン』

世界の破滅を描く

ハルマゲドン、もしくはアルマゲドンとは、「世界の終末の最終決戦の地」を表す言葉で、世界の破滅そのものをさすとも言われています。

ちなにみに書かれているのは旧約聖書ではなく、ヨハネ黙示録。

そんな最終戦争の名をつけられたこの映画『アルマゲドン』は、その名に恥じぬド迫力映画で、アメリカのテキサス州ほどの大きさの小惑星が地球に接近。このままいけば衝突して地球上のすべての生き物が絶滅するという、まさに世界の破滅を描いています。

破壊と爆発が大好きなマイケル・ベイ監督作品らしく、冒頭からNASAのシャトルが爆発し、パリやニューヨークの主要都市が飛来した隕石で壊滅的に破壊されます。

とにかく展開が速く、VFXてんこ盛りの画面は派手。その割には「世界の終り」に対する危機感があまり感じられないと、一番の駄作に贈られる「ラジー賞」を総なめにするなど、賛否両論、評価のわかれる映画でもあります。

号泣必至の名シーンばかり

この映画に突っ込みどころが多いのは、確かです。宇宙に関する機関ならば世界中にあるのに、なんで今回もアメリカのNASAが主導なのかとか、世界の命運をたった14人の民間人と軍人に任せて良いのかとか。宇宙には酸素がないし、船外活動ではその為宇宙服も着こんでいるのに、なんで爆発して火を噴いているんだろう、とか。

まぁそんな風に挙げていけばきりがありませんが、それでも。筆者はこの映画を見るたびに、号泣してしまうのです。名シーンは多々ありますし、少々ネタバレになってしまいますが、紹介してしまいましょう。

主人公ハリー役のブルース・ウィルスと娘の婚約者A.J.役のベン・アフレックとの別れのシーン。顔を涙でぐしゃぐしゃにして泣くベン・アフレックには、それだけで涙を誘われます。

ハリーとリヴ・タイラー扮する娘の別れのシーンも号泣必至ですし、作戦が成功して世界中が歓喜につつまれるなか、ひとり唇を噛みしめるリヴの悲劇的に美しい顔をみてしまえば、やはり嗚咽をこらえるのに苦労するでしょう。

希望を描いた映画

この映画のエンディングテーマ、『I DON’T WANT TO MISS A THING』を歌っているのは、エアロスミス。つまりは、娘役のリヴ・タイラーのお父さんである、スティーヴン・タイラーです。

劇中でハリーと娘の別れのシーンがあることはすでにご紹介しましたが、その撮影時にはリヴの本気の涙を撮るために、スティーヴン・タイラーの歌う映像が流されたそうです。

確かに、その歌のクリップビデオを見ていると、要所にはさまれた映画の名シーンと相まって、勝手に涙が零れおちます。元々映画に関しては涙もろい筆者ではありますが、SFパニック映画でこれだけ号泣してしまうのは、この『アルマゲドン』だけです。

設定とSFXの派手さばかりに注目される映画ではありますが、世界の破滅にも敢然と立ち向かう人々を、仲間への信頼を、希望を描いた作品でもあるのです。現実と闘うのに疲れた時、絶望しそうになった時にこそ、観てはいかがでしょうか。

作品情報

原題:『Armageddon』
出演者:
監督:

ABOUT THE AUTHOR

Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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