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ロックで武闘派な名探偵、『シャーロック・ホームズ』

ロックで武闘派な名探偵、『シャーロック・ホームズ』

世界で一番有名な探偵

名探偵ときいてほとんどの人が一番に思い浮かべるのは、シャーロック・ホームズでしょう。

「サー」アーサー・コナン・ドイルが、売れない医者業の合間に生み出した偏屈な天才。冒険活劇として、また純粋に推理を楽しむ物語として楽しめ、シャーロキアンと呼ばれる熱烈なファンを世界中に持ち、実在しないにもかかわらず彼のアパートのある「221B」を求めて、ロンドンのベーカー街を巡礼するファンは今も絶えません。

そんな大ベストセラーですから当然幾度も映画化・ドラマ化されており、今回ご紹介する『シャーロック・ホームズ』もそのひとつです。

が。この映画は小説と同じヴィクトリア時代を舞台としながらも、ロックでスピーディな映画に仕上がっています。

ロックでスピーディなホームズ

それまでの映画やドラマでは、ホームズはあくまで貴族的で慇懃無礼な紳士として描かれていました。衣装もフロックコートやサーコート。

もしくは出版当時のイラストを参考にした、鳥打帽とインバネス。現場に出かけることはありますが、大抵は助手のワトソンとともに住むアパートにいて、パイプをくゆらせています。

その姿はまさに、「安楽椅子探偵」の元祖といった趣。著者もこの映画に出会う前は、それがホームズの「正しい」姿だと思い込んでいました。

その思い込みは幸いなことに、ガイ・リッチー監督とホームズ演じるロバート・ダウニー・Jrにより完全に払しょくされました。

そうです。著者のコナン・ドイルがそうであったように、ホームズはボクシングを楽しむ武闘派です。しかも、当時はまだ犯罪捜査現場でもあまり知られていなかった、指紋や筆跡鑑定により事件を解決する先進派でもありました。

つまり、この作品で描かれたようなロックでスピーディな活動家こそ、「正しい」姿なのかもしれません。ハンス・ジマーによる踊り出したくなるくらい軽快なサントラも、そのイメージを補完しています。

唯一無二のバディ・ワトソン

映像化されたホームズ物への思い込みは、もうひとつありました。それは相棒であるワトソン博士の容姿や性格について。

これまでは人の良さそうな、小太りの外見で描かれることが多かったのですが、この映画でワトソンを演じるのはスマートなイケメンのジュード・ロウ。

原作に忠実にステッキをついてはいますが、そのステッキは仕込み杖でもあり、ホームズとともに敵をバタバタとなぎ倒して行きます。彼は軍医だったわけですから、当然と言えば当然ですね。

そして、ホームズとワトソンの関係性も変わっています。ホームズがワトソンにいたずらを仕掛けからかうのはそれまでと一緒ですが、笑って受け流すのではなく、きっちりやり返し、時には本気で怒っています。

けれど重要な局面では、必ず頼れる最大の理解者にして、唯一無二のバディ。ワトソンの婚約者に思わず嫉妬してしまうホームズも可愛らしく、その二人のふしぎな関係性は、現在英国BBCでシリーズ化されている『Sherlock』にも受け継がれています。

続編が待てない方には

いまは『アイアンマン』としての方が有名な、。アメリカ人である彼が英国のスーパースター・ホームズを演じるには賛否両論あったようですが、実際に映画を見れば誰もがそのハマりっぷりに納得するはず。

いまのところ続編は、宿敵モリアーティとの対決を描いた『シャドウ・ゲーム』だけですが、更なる続編が作られるという話もあります。

ファンの一人としてはぜひ実現してほしく、いつまでも待ち続ける気はありますが、それまで待ちきれないですよね?

そんな方は先にあげたBBCの連続ドラマ『Sherlock』をどうぞ。舞台は現代に変わっていますが、ロックで偏屈、とびきり天才のホームズに会えます。彼に毎回振り回されつつもしっかりサポートする、ワトソンとのかけ合い(言い合い)も見ものですよ。

作品情報

原題:『Sherlock Holmes』
出演者:
監督:
シリーズ作品:『
原作:『シャーロック・ホームズ』シリーズ コナン・ドイル著

ABOUT THE AUTHOR

Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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