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俺様・神様推参!『マイティ・ソー』

俺様・神様推参!『マイティ・ソー』

俺様・神様推参!

おそらく大抵の日本人は、「神様」とは「神聖な」もの、「恐れ多い」もの、ともかく自分たちとはかけ離れた高次元にいるもの。そんなイメージを持っているのではないでしょうか?

しかしそんなイメージでこの映画に出てくる「神様」をみようとすれば、裏切られます。

北欧の神話の神「THOR」をベースに生み出された、アメコミのスーパーヒーロー、マイティ・ソー。

見上げるほどの丈高く大きな身体、分厚い胸板に丸太のような太い腕。赤いマントを翻し、雷をよぶハンマーをぶんまわして敵を薙ぎ払う、荒ぶる神。それだけならば日本にも建御名方などがいますが、この神様にはもうひとつ大きな特徴があります。

それは、「俺様」であること。その俺様っぷりは相当なもので、ついには父である王の後継者と目されていたにもかかわらず、力を封印され地球に追放されてしまいます。

なぜ地球に?

主役のソーを演じているのは、オーストラリア出身のクリス・ヘムズワース。いやこの人はまさにハマり役で、金髪碧眼、190cm以上の高身長に筋肉の塊のような身体で、実に楽しそうに俺様神様を演じています。特に映画の冒頭の彼は、力だけあるお馬鹿さん。こりゃ追放されても仕方ないわと思わせる、ジャイアンのような男です。

それはいいとして、追放される先がなぜ、地球なのでしょう?

映画の世界観から若干の説明を試みると、宇宙は9つの世界に分かれておりまして。5,000年ちかくの寿命と、魔法としか思えないほど発達した科学力を持つソー達がその9つの世界を見守っています。

そのひとつに我らの地球があるのですが、100年しか生きられない脆弱な身体に、いまだ太陽系を移動するだけで精いっぱいの科学力しか持たない人間は、彼らのとってみれば底辺の存在。つまり地球は彼らにとってみれば、最果ての地。流刑地なわけですね。

兄弟喧嘩はよそでやれ

まぁ彼らはなにせ「神様」ですから、母なる星を流刑地あつかいしているのは、この際置いてきましょう。問題は、その後。追放されたお兄ちゃんを追って、弟まで地球に来てしまう事です。もちろん、「お兄ちゃんが恋しい」なんて可愛い理由ではありません。

この弟くん、実は俺様なふるまいをする兄・ソーに、密かな鬱屈を抱えておりました。その兄が追放され、ついでに父親も倒れてしまい、自分が拾い子であったことも発覚。長年つもりにつもった鬱屈が、ついに爆発します。

そして自分が王座に就く為、兄貴を亡き者にしてしまえと地球に乗り込んでくるわけです。

えぇまぁね。年の近い兄弟は何かとぶつかりあうものでしょうし、喧嘩もたまにはいいと思いますよ?でも彼らはなにせ、「神様」ですから。神話級の力がぶつかり合えば周囲がどうなるかは……分かりますよね?

兄弟喧嘩はその後も続く

ネタバレを承知であえて書きますと、俺様神様のソー君はちょっと改心しまして、故郷に帰ります。つまり、めでたしめでたしと言えなくもないのですが、彼らの兄弟喧嘩はその後も続き、同じマーベル・シリーズの『アベンジャーズ』や『』に引き継がれるわけです。

いや~本当にねぇ。どの国の神話にもあるように、神様同士が喧嘩すると、即世界が崩壊しそうになりますから困ったものです。毎回派手に壊される世界の各都市に怒声を上げつつ、あぁこれが映画で本当良かったと胸をなでおろしています。

そんな、ナニ様神様俺様ソー様の暴れまわるこの映画、単純明快でスカッとするのは間違いありませんから、あなたも是非楽しんでください。

作品情報

原題:『Thor』
出演者:
監督:
シリーズ作品:『
原作:『マイティ・ソー』、ジャック・カービー著

ABOUT THE AUTHOR

Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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