むびれぽ

フィルムを喰らう!~感情中毒の巣窟~

【聖地巡礼】チェ・ゲバラのみた風景

今なお愛されている革命家


キューバを「解放」した革命家の中で、恐らく一番有名であろうエルネスト・「チェ」・ゲバラ。意外に知られていないのが、彼はキューバではなく、アルゼンチンの裕福な家の出身であるということ。さらに言えば、重度の喘息を患っており、その喘息に革命時の行軍中にもひどく苦しめられた事でしょうか。

イケメンで、いまなお世界中で愛されている彼のそんな姿は、『チェ 28歳の革命(The Argentine)』で見る事ができます。顔の造形だけでいえばあまり似ていないベニチオ・デル・トロが、まるで憑依したかのようにこの炎の革命家を演じています。

彼の足跡をたどるのではなく

さて。彼を描いた『チェ』2部作の聖地巡礼をしようと思えば、映画の冒頭でインタビューを受けている首都ハバナと、密航して上陸した港に喘息の発作に苦しみながら行軍した密林、激戦を繰り広げたサンタ・クララなどの街、そして彼の名を世界に知らしめた国連本部での演説、つまりはニューヨークを巡るのが本当かもしれません。

が。

今回我らが訪問したのは、ハバナ郊外にある「革命広場」とチェの「第2邸宅」です。

革命広場


チェの大きな壁画があることで知られる「革命広場」は、キューバに行けば必ず訪れる場所。道を隔てた反対側には彼の僚友であるカミロ・シエンフエゴスの壁画もあります。

キューバのガイドブックには必ず掲載されているこの壁画さん。予想以上の大きさにびっくりしました。ほら、写真をよぅくご覧ください。壁画の下、木と現代アートの手前に人が立っているのが見えますか? そうです。団地の壁に刻まれたこの壁画は、こんなに大きかったのです。

観光で訪れた日はあいにくの曇り空でしたが、これが晴れ渡る南国の青空を背景にしていれば、さぞかし壮観だった事でしょう。

チェの第2邸宅


お次は「第2邸宅」。ハバナの旧市街から海底トンネルを通った対岸にあります。


現在は博物館となっているここには、彼と戦場を共に駆け巡ったマミヤのカメラや。


意外なほど小さな彼の使用していたベッドなど、貴重なものが展示してあります。


でもここを訪れて一番感銘を受けたのは、この風景。海峡を挟んで向こう側に見える、ハバナの街。彼の守りたかったもの、勝ち取ったものがここから見えるのです。


ゲバラ邸の庭には往時と同じように羊やニワトリたちが走り回り、ここを管理していると思われる兵士さんがのんびり歩いていました。彼が着ているくすんだグリーンの軍服は、かつてチェが着ていたものと同じでしょうか。ストレッチ性のかけらもなさそうなその軍服に妙な感動を覚え、彼が行きすぎるのをしばらく見守ってしまいました。

チェ・ゲバラのみた風景

国連本部での演説を成功させた後、チェは革命軍の司令官に任命されます。その後も山岳部から移動したゲリラとともに、次々と都市を制圧し、転戦していきました。25ヶ月に及ぶ戦い勝利した後も、革命の夢を追い続けたチェ・ゲバラ。彼がこの邸宅でその疲れた身体を休めることはあったのでしょうか……?


海を渡る風の音を聞きながら、そんなことを思いました。

作品情報

邦題(原題):『チェ 28歳の革命(The Argentine)』
出演者:
監督:
シリーズ:『

ABOUT THE AUTHOR

Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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