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弱小貧乏球団のジャイアントキリング『マネーボール』

弱小貧乏球団のジャイアントキリング『マネーボール』

ジャイアントキリング!

「ジャイアントキリング」という言葉を、皆さんは聞いたことがおありでしょうか?

主にスポーツ界で使われている言葉で、弱いチームが強いチームを、けちょんけちょんに負かす事を言います。ちょっと意味合いが違いますが、日本のプロ野球界でも「首位いじめ」なんて言葉がありますね。

よくよく考えればどの球団にも才能あるプロ達が集まっているわけですし、そのプロ達は日本でならば高校野球や大学野球、実業団などでその才能を認められ、多くの選手はスカウトされて入っているわけです。だから実力の差はそんなにないはずですが、それでも毎年優勝争いに参加するチームがあれば、万年最下位に甘んじているチームもあるわけで。

ドラフトで期待された通りに活躍し続ける野球選手もいれば、期待はずれで2軍落ち、早々に引退してしまう選手もいるのが現実です。

この映画『マネーボール』は、そんな「期待されていたのに活躍できなかった」メジャーリーグの元スター候補生が、スカウトマンとなって弱小貧乏球団を率い、金満強豪球団を相手取って勝ち上がるという、実話をもとにした物語です。

凸凹コンビは数字で戦う。

主役のビリー・ビーンを演じるのは、。劇中彼は自慢の筋肉をさらに練り上げるべくしょっちゅう筋トレしていますし、なにより皆様ご存知の通りのイケメン様ですから、名門スタンフォード大学の奨学生になれるような秀才君には見えません。

逆に彼の相棒、ピーター・ブランドを演じたジョナ・ヒルは、そのいかにもオタク・アメリカンな体型と相まって、野球経験ゼロ。でも数字と理論には強いよ! というキャラクターを見事に体現しています。

で。そんな凸凹コンビがどんな風にジャイアントキリングするかと言うと、彼らの武器は、独自の統計学。リーグに在籍している選手を出塁率などで客観的に評価し直し、他球団で埋もれているのを発掘し、安い年棒で引っ張ってきてチームを改革するわけです。

筆者は、夏になればテレビでプロ野球を観戦することはありますが、正直ルールをすべて理解しているわけでもなく、「結局多く点を入れた方が勝ちでしょ?」くらいのざっくりとした知識で観ている素人です。

イチローや上原がメジャーで活躍しているのはすごいとは思うけれど、彼らがどれほど「すごい」のかは正直よくわかりません。そんな素人でも分かるくらい彼らの理論は明快でわかりやすい。選手のデータを記録して分析し、それを元に選手を取ったり起用したり戦術を組み立てるなんて、いまなら常識ですよね?

それとも劇中であったように、メジャーリーグではまだ「あいつにはガッツがある」なんて着眼点で、選手をスカウトしているのでしょうか?

こちらもお見逃しなく

途中から何故か笑いだしたくなってしまうほど爽快な彼らの快進撃は、映画で確認いただくとして。筆者がもうひとつ注目して欲しいのが、怪我で行き場を失いかけた若手選手スコットを演じるクリス・プラット。

彼はいまでこそ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『ジュラシック・ワールド』などで主役を張るスターですが、この作品に出た時はほぼ無名。しかもそれまではテレビのコメディドラマに出演していたのですが、その体型といったら……。

この『マネーボール』出演時とそれ以前の映像は、YouTubeなどで良く比較されていますから、ぜひご覧ください。俳優さんの肉体改造の凄さを実感できます。

作品情報

原題:『Money ball』
出演者:
監督:
原作:『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』マイケル・ルイス著

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Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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