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フィルムを喰らう!~感情中毒の巣窟~

クール・ジャパンはココから始まった。『風の谷のナウシカ』

クール・ジャパンはココから始まった。『風の谷のナウシカ』

クール・ジャパンの走り

1984年! 宮崎駿監督作品としてのみならず、日本のアニメを代表すると言っても過言ではないこの映画が公開されたのは、1984年。なんといまから30年以上前のことなのです。この稿を書くにあたり、改めて作品について調べまして、その事実に愕然としました。

いやでも考えてみれば、当たり前のことです。この『風の谷のナウシカ』は、言ってみればエポックメイキングの作品。

この作品以前は、アニメ映画なんてあくまで子供の観るもので、現在のように「おたく」は市民権を得てはいませんでした。それどころか映画の原作が掲載されていた雑誌「アニメージュ」を買うのは成人雑誌を買う並みに勇気のいることで、アニメ好きを公言すれば、家族やクラスメイトからは距離を置かれてしまう。そんな恐れのある時代でした。

それが今やどうです? 宮崎駿監督作品のみならず、スタジオ・ジブリ作品と言えば、「名作」「感動」の代名詞。

世界の映画祭でノミネートされ、大人から子供まで、作品にもよりますが誰でも楽しんで見られる作品となっています。アニメは日本の誇るべき文化で、クール・ジャパンを求めて世界中から観光客がやってきます。その流れをつくった最初の作品、それがこの『風の谷のナウシカ』なのです。

どこかで聞いたあの言葉、あの台詞は……

その証拠にと言うのもなんですが、アニメ好きやおたくではない方でも、この作品に登場する「巨神兵」や「王蟲(オーム)」、「腐海(ふかい)」という言葉に聞きおぼえがあるのでは、ないでしょうか。また、映画を見たことのない方でも、「メーベ」と言えば、主人公のナウシカが乗る小型の飛行船であることを知っているのでは?

そしてアニメ・マンガ好き、「おたく」を自認する方ならば、トルメキア軍のクシャナが劇中言った台詞「薙ぎ払え!」や、ペジテの王女の台詞「積荷を燃やして……」、大ばば様が語る「その者、青き衣をまといて……」を言った事があるはずです。ちなみに筆者はあります。

「そんなこっ恥ずかしいことはしない!」という方でも、他の漫画やラノベなどで使われているのを、見た事があるのではないでしょうか? もしくは剣豪の代名詞として「ユパ様」があげられているのを?

どこかで聞いた気がするあの言葉、あの台詞は、この映画にあったのです。

見ずに語るなかれ

『風の谷のナウシカ』の影響は、言葉や台詞だけではありません。核戦争後の世界はどんなものか。環境破壊を続けていけばどうなるのか。「伝説」や「兵器」の扱い方、どれだけ時代を経ても、どんな時代でも変わらない、人間や国家の業―――。

いまのアニメや漫画ではお馴染みの設定や考え方が、30年以上前に公開されたこの映画ですでに描かれています。もちろんそれ以前の作品にも、その要素がこめられたものはありましたが、アニメや漫画を見ない層にまで浸透させる作品としては、『風の谷のナウシカ』が初めてではないでしょうか。

その意味でもエポックメイキングなこの作品。もしまだ観ていない方がおられましたら……わかりますよね?

作品情報

出演者(声):(ナウシカ)、(アスベル)、(ユパ)、(クシャナ)
監督:
原作:『風の谷のナウシカ』宮崎駿著

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Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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