
あの4人が帰ってきた!
日本でも一時期大ブームとなっていた海外ドラマ、『セックス・アンド・ザ・シティ』。ニューヨークに住むおしゃれ女子4人が「幸せになりたい」と恋に仕事に全力投球する姿を描いたこの作品は、全6シーズン、94話あります。
劇場版の本作は、テレビドラマから4年後の設定。キャリー・サマンサ・ミランダ・シャーロットの4人組の仲は相変わらずですが、主役のキャリーは長年くっついたり離れたりを繰り返していた「Mr.ビック」と同棲しています。そればかりかついには結婚するというのですから、彼らのこれまでを見守ってきたドラマファンは驚くのではないでしょうか。
とはいってもそこはあのキャリーであり、驚きの展開と赤裸々な女子本音トークが売り物のこのドラマでは、すんなり「めでたしめでたし」で終わるはずもなく。ひと波乱もふた波乱も待ち構えています。
主役は「美人」でも「いい人」でもない
ここで、ドラマをまったく見たことがない方の為に説明しますと、主役のキャリーを演じるサラ・ジェシカ・パーカーさんは、いわゆる「美人」ではありません。ご本人もキャリーと同じくオシャレ番長として有名で、メディアのファッションスナップの常連ですが、彼女の褒め言葉としては「魅力的」がふさわしいでしょう。
更に「キャリー」の性格を分析するならば、恋愛至上主義の自己中。コラムニストという職業柄か毒舌家ではありますが、気分の乱高下が激しく我儘な浪費家でもあります。なのに、モテます。そんな性格の上に美人でもないキャリーがなぜモテるのかと、所詮は都合のよいお伽噺かと思う方もおられるでしょうが、そこに、このドラマの人気の秘密があるのです。
欠点があるからこそ愛しい
彼女がそうであるからこそ、彼女の友人である3人が輝きます。
美人で姉御肌のサマンサは恋の狩人で彼女の赤裸々っぷリには大抵の日本女性そして男性は引くかもしれませんが、繊細なかわいらしい一面には惹かれるでしょう。ファッションも考え方もどこかふわふわしたお嬢様のシャーロットですが、大切な友人の為には母虎のように闘ってくれます。弁護士のミランダは頭でっかちなところはありますが、いつも全力投球。実務面でとても頼りになります。
性格も容姿もファッションスタイルもばらばらな彼女達ですが、お互いを大切に思い、主役であるキャリーのピンチを結束して救い、キャリーも彼女達を守るためならどんな戦いにも挑みます。
つまりこのドラマは、欠点だらけでも大切なことは間違わない主人公と魅力的な友人たちの友情物語でもあるのです。
欲張りになろう
そんなドラマとともにスクリーンを飾るのが、彼女達のファッション。本作ではキャリーのウェディングドレスを筆頭に、ハイブランドからヴィンテージまでの美しい衣装が画面を埋め尽くします。普段ファッションにあまり興味のない筆者でも、彼女達の衣装、なによりどんな奇抜で大胆な服でも堂々と着こなすそのスタイルに心踊らされます。
「不況」が日常のものとなり、ファッションも生活スタイルもどこか守りに入っているそこのあなた。恋も仕事も友情も全部欲しいと奮戦する彼女達を見習って、欲張りになってみませんか?
作品情報
原題:『Sex and the City』
出演者: サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン
監督:マイケル・パトリック・キング
原作:『セックスとニューヨーク』キャンディス・ブシュネル著
シリーズ:『セックス・アンド・ザ・シティ2』