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大泉洋が正統派ハードボイルドでキメる探偵物語『探偵はBARにいる』

大泉洋が正統派ハードボイルドでキメる探偵物語『探偵はBARにいる』

ハードボイルド探偵物語

お嬢さん、あいつに仕事を依頼したいなら、ココに電話してみな。そう言われたかどうかは分かりませんが、そのハセガワキョウコと名乗る女からかかってきた一本の電話から、探偵は事件に巻き込まれることになります。

この映画では大泉洋さんが演じるその探偵に、名前はありません。ついでに言えば、彼は携帯電話もポリシーで持ちません。根城とするのは、北海道は札幌にある歓楽街ススキノの、古めかしいバー。彼が連絡先にしているバーの電話も、これまた古めかしい黒電話です。そうそう、探偵の相棒、松田龍平さん演じる高田が乗る車も古めかしいと言うよりおんぼろのビュート。

ここまで書けば、お分かり頂けますよね。そうです。この映画と原作は、正統派ハードボイルドの探偵物語なのです。

ハードボイルド(笑)?

ハードボイルドな物語にふさわしく、キメ台詞もあります。探偵のキメ台詞は「探偵は依頼人を守らなきゃいけないんだよ!」で、相棒である高田のキメ台詞は「惚れたのか?」です。

ね? ハードボイルドでしょう? ちなみにこの台詞は続編でも出てきますから、シリーズではお約束の台詞なのでしょう。

実はこの作品を観る前、大泉洋さんが主演と聴いてコメディ映画だと思い込んでいました。なにしろそれまでの見ていた彼は、バラエティ番組で自虐的な笑いを取りにいくという、大変コミカルなものでしたから。それにそうのう……ハードボイルドの主役をはるには、顔が、ね?

顔立ちと言えば、高田役の松田龍平さんの方も整っていると言えますが、劇中では黒ぶち眼鏡の奥の目をいつも眠そうにしょぼつかせてぬぼ~っと立っているか、お菓子をぽりぽりと食べているかで、こちらもハードボイルドとは言いがたく。「もしかしたら、ハードボイルド(笑)?」なんて、失礼なことを考えていました。

大人だけでたっぷりお楽しみください。

実際の映画は、そんな失礼な先入観など蹴散らされるほど、正統派のハードなストーリーでした。大泉洋さんの持ち味であるコミカルなカラーをベースにしつつも、謎の集団に雪に埋められそうになったり、乱闘シーンもあったりしますので、PG-12指定がされています。えぇだってこの映画は、探偵もので、ハードボイルドですから。扱う事件は殺人ということもあり、暴力的なシーンがあるのは当然でしょう。

事件を追えば追うほど謎は深まり、小雪さん扮する謎の美女も登場して、物語はますますハードになっていきます。謎の集団ひきいる高嶋政伸さんのキレッキレの演技も見ものですから、「お子様」は一緒に観てあげるかいっそのことご遠慮いただいて、大人だけでたっぷりお楽しみください。

作品情報

出演者:
監督:
シリーズ作:『』 
原作: 『バーにかかってきた電話』東直己著

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Hiro Miyama
はじめまして。作家兼ライターの海山ヒロ(みやまひろ)と申します。

物心つく前から映画好きの両親に連れられ、映画館へ。そして家族のだんらん時に見ていたのは、各放送局の洋画劇場でした。おかげでしっかり映画好きに育ったわたしは、今日もまた、世界の片隅で映画への愛をこうしてつづっています。

ついつい口ずさみたくなる様な音楽に、悲喜こもごもの物語。そして素晴らしい衣装や舞台装置に夢のような風景が詰まった映画は、総合芸術です。
そんな数々の名画達に出会うお手伝いを、すこしでも出来れば嬉しいです。
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